13人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
Santa Claus is coming to town.
今夜はクリスマス。
街中が浮かれている。
妻の真悠子が、救急車で運ばれた。
連絡が入った俺は、真悠子のいる病院に向かっていた。
なのに、急いでるときに限って雪で渋滞となり、なかなか病院にたどり着けない。
街中は、ホワイトクリスマスだ、イルミネーションだと浮かれやがっている。
くそっ、と、苛ついた俺はハンドルを叩いた。
クリスマスとか、そんなことは、どうだっていいんだよ。
俺は今まで、サンタとか、信じたことなかったけど。
もし、サンタがいるなら。
クリスマスプレゼントなんか、いらないから。
どうか、病院に間に合ってくれ。
何とか総合病院に到着した俺は、車を降りて走った。
夜間入口のドアを開け、近くにいた看護師を捕まえて訊ねた。
「すみません、高岡真悠子の夫です。妻は……真悠子は、大丈夫ですか」
クリスマスプレゼントなんか、いらないから。
この世にサンタがいるなら、頼むから。
真悠子を助けてくれ。
クリスマスプレゼントなんかいらない。
「高岡さん、おめでとうございます。元気な女の子ですよ」
最初のコメントを投稿しよう!