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「でも・・・マリンは一番の友達なのに、タケルはマリンとお話ししてると、すぐに取ったり、ぶったりするもん。タケルなんかもうきらい!」
はっはー、そうか。ぼくはタケルの気持ちがちょっとだけ分かった気がした。
「タケルは、マリンにミコちゃんをとられたと思ったんだよ、きっと」
「えー、そうなの?」
「きっとそうだよ」
「ふーん、じゃあ、三人で遊ぶ。タケルもだっこしてあげる」
にっこり笑ってぼくを見た女の子の顔が、月明かりにくっきり浮かんだ。
心臓がドキリと大きな音をたてた。
星がまた一つ流れた。
ぼくはこの女の子の顔を知っている。大きなこぼれそうな二重の目、長い髪の毛先だけがが小さくカールしている。抱いている人形よりも透明で白い肌。鼻の周りのそばかす。ミコちゃんっていったよな。それで弟の名がタケルだって・・まさか、
そんなバカな!
でも、でも、この顔、まちがいない。
この子、姉ちゃんだ!
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