1人が本棚に入れています
本棚に追加
二人の間に特に会話があるわけでもないが、傍から見てたら思わず口元が歪む光景に違いない。
おっと? 数メートル隣で、グログロンガが意味深な視線を送っている。
タケルもミィナもほぼ同時に気づく。
・・・でも誰もそのことで口を開けない。
グログロンガは元々寡黙な性質(たち)だし、
ミィナはそういう駆け引きで、悪戯心を抱く性格だが、今はそんな気も起きない。
タケルはタケルで、
本来、悩まなければならないこれからの難題に、気持ちを戻さねば!
・・・と我に返った。
「・・・ミィナ、おい。」
「ん、なんだよ、
なんか言いたかったのか?」
「あ、いや、この先、どんな展開になるかオレもわからねーけど・・・、
どんな結果になっても、お前、満足できるか?」
しばらく彼女は考え続ける。
でも実際、その場になってみないと・・・。
「わかんね・・・。
でもいいよ、タケル、
お前らはお前らで最善の行動をしてくれよ。
少なくとも、問答無用で暴れることはしねーからさぁ・・・。」
そう言って、ミィナはタケルの右頬に手をあてがった。
ちなみにそれは、グログロンガからは見えにくい角度にしてみた。
最初のコメントを投稿しよう!