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0章 人間失格、転生させられる
シンプルな服装の男が、首に縄を掛けた状態で立っている。
勿論首吊り健康法では無いし、当然自殺でもない。
そう、この男は……
「これより○○○の死刑を執行する。……何か、言い残すことは有るか?」
死刑囚だ。
「……僕は悪さをしたつもりはないが、殺した数を言えばこれは因果と言うものだろう。鐘の音が聞こえる。……どうやら、人として眠ることが許されるらしい。……心して聞け、諸君。死は断じて終わりではない。僕の考えでは、死は全ての始まりだ!」
「言いたいことは、それが全てか?」
「いや、あとひとつ。僕の遺産は全て国にくれてやる。……と言っても、捕まって刑を告げられた時点で既にそうだろうが……。まあそんなことはどうでも良い。もう言い残すことはない。手早く済ませてくれ。」
男がそう告げた直後、ボタンが押され男の身体は宙吊りになる。
不気味な笑みを浮かべたまま、男の意識は闇に閉ざされた。
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