0章 人間失格、転生させられる

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「それで?僕にここでどう罪を償えと?」 「唯一神様からの沙汰によると……殺した数だけ命を救え、だそうです。」 「それでは余計に罪を重ねることになりそうだな。何故、と聞きたそうな顔をしているな。僕にとって、死こそが救済だからだ。」 「唯一神様の決定だから何言っても覆らないけどさー、こいつ冥界で引き取って根性叩き直す方が良かったんじゃないの?」 「……ハデス様!?どうしてここに?!」 「いやー、ね?やることなくて暇だし、唯一神様がとんでもない大罪人を拾ったって言うからどんなやつかと一目見たくてね。こうしてわざわざ贖罪の間に入ってきたわけよ。さっきミカエルちゃんが名前呼んでたから名乗る必要ないと思うけど一応それっぽく名乗っておこうか。この私が、冥府神・ハデス!数多くいる死を司る神の一柱にして、冥府の王の一柱である!」 「そうか。……どうせ思考を読むことなど朝飯前だろう、自己紹介など必要あるまい?さあ、さっさと僕を地獄に連れていくが良い。」 「神相手に上から目線だねお前。」 「あの、朧さん。唯一神様から新たな沙汰が。異世界“カルデアス”に転生して人類を守護せよ。だそうです。」 「……抑止力の代行者の真似事をしろと?……お断りだ。それならいっそ僕はこのまま消滅することを選ぶ。」 「貴様に対する最後の慈悲だ。拒否権などあると思うな。」
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