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『言葉のキャッチボールというものを知らんのか?まあ良い。程々にした方が良いぞ小娘。』
「何をだ。」
『無意味な自傷行為をだ。他からの害であれば例外だが、自傷であれば再生の度に貴様の魂を磨り減らす。自我の宿らぬ肉塊に成り下がって後悔しても遅いぞ?』
「望むところだ。」
『は?』
「僕は死に場所を探していたのだ。存在一つ残さぬ、僕というものの終わりを。」
『狂っているな?』
「そうとも、僕は狂っている。狂っていなければ、何人もの命を無意味に奪ったりなどするものか。」
『なんともはや。』
「振り撒いた死の数など、疾うに忘れた。僅かにあった人の心も疾うの昔に消え失せた。貴様が縛りを掛けて転生させたのはそういうものだ。姿こそ人のそれだがその実態は人のような見てくれの人ならざるモノだ。心もなく慈悲もなく、機械的に死体の山を築く鬼を、貴様は世界に解き放ったのだよ。」
『ほざくが良い。貴様の魂に余が刻んだ呪いは、どう足掻いても解けはせぬ。』
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