1章 人間失格、異世界に墜ちる

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「……あのクソ神、ぶっ殺す。僕に喧嘩を売ったことを後悔させてやる…………!」 「きゃあああああああ!?」 姿を改めて神に殺意がわいた直後、絹を裂くような悲鳴が聞こえた。 「テンプレート、とか言うやつだな。情報収集に丁度良い。恩を売って情報を引きずり出そう。」 悲鳴の聞こえた方向に、再現した能力を駆使して最短距離で(触れたいものを選べる能力、すなわち障害物を拒絶してすり抜けることで)走る。 走った先には、今にも火を吹きそうなドラゴンとその前に立ち尽くす少女がいた。 「退いていろ。」 少女を蹴り飛ばして場所を空け、ドラゴンの前に立つ。手を翳し、鋭く呟く。 「─────拒絶。」 周辺の大気を拒絶して、半球状に真空を作り出す。 ドラゴンが吐いた炎は、何も燃やさず鎮火する。 「(真空を解いたら、貴様は僕達を焼き殺さんとするだろう。ゆえに、このまま殺す。悪く思うな。……恨むなら、僕に出会した己の不運を呪え。───────その心臓、貰い受ける。)」 拒絶を行使したまま腕を肩まで胸部に突き入れ、心臓に触れたいと願いながら体内を探る。 「(見つけた。……ふん!)」 掌に触れたそれを掴み、胸部から腕を引き抜く。
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