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後にはゼウスと、どこからともなく現れた小柄な女神が残された。
──────
ゆっくりと目を開く。
視線の先には、天井の木目。
「ここは……?」
「目が覚めたか。」
「…誰だ!」
聞き覚えのない声に飛び起きて、壁際まで飛んで忙しなく周囲に目を走らせる。
「そう警戒するな、取って食ったりはせん。」
扉付近の壁に凭れるようにして、草臥れた格好の男が立っていた。
「無意識に何かバリアみたいなもんを纏ってたお前をここまで運ぶのは大変だったぞ?」
「答えろ!僕は、お前が誰なのかを聞いているのだ!」
「落ち着け、ユウ。こいつは俺の仲間だ。」
「アルマ…殿?」
「ウィリアム、そうからかってやるな。」
「へいへい。しかしアルマよ、こいつ何者だ?」
「わからん。俺に聞くな。」
「はぁ?まさかお前、素性も知らないのに連れてきたのか?」
「……流石に何しでかすか判らんのに放ってはおけんだろ。」
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