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「……何しでかすか判らんって、そんなヤバイ奴なのか?」
「割りとな。」
「か弱い少女を危険人物扱いとはな?」
「お前のようなか弱い少女がいるか。」
「見た目はか弱いだろうに。」
「見た目は、な。騙されるなよ、ウィル。こいつはとんでもない化け物だ。」
「それは言われなくても判る。さっきのバリア、俺が全力で殴ったとしても傷一つつかねえよ、多分。」
壁に貼りついたまま、目だけは油断なく周囲を見渡す。
「言っておくが、この部屋にそこの戸以外の出入口はねぇぞ?」
「あるではないか……窓に。」
やんわりと否定しながら、地を蹴りつける。顔の前で腕を交差して、勢い良く窓に突っ込む。
ガラスを体で突き破って、空中に身を踊らせた。
「なっ!?」
「なんつー無茶な真似を、ここ五階だぞ!?」
窓に近寄る二人。瞬間、白い影が縦に窓の前を通過する。
「まさか…あのアマ逃げやがった!!」
「嘘だろ怪我一つしてねぇの?」
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