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私は、専門学校の面接が終わり帰宅するところだった。 駐車場に戻り、車に乗った。 「あ……」 車内の電気がついてる。 急いで消したが間に合うはずもない。 5時間は付いてたことになる。 エンジンはかからなかった。 「……どうしよ……」 親は仕事してるし みんな忙しいだろうし…… あいつに連絡しようか…… でも、こないだ喧嘩したばっかし 気まずいな…… 本当に些細なことかばかりで喧嘩して 次の日には何となく仲直りして また喧嘩して。 でも、必ずあと少しすれば 受験が終われば絶対元に戻れる 私はそう信じて仲直りしてなるべく 傷つけないように喧嘩して あとで、笑い話にできるように! 車が、動けないまま 車に乗って30分はたった。 周りの人たちは次々と帰っていく。 助けも呼べない。 完璧にお手上げな時 あの子が現れたのだ。 車の窓をノックされた。 見ると細めのちょっとかっこいい人が居た。 服がボロボロでちょっと可愛そうだった。 「もしかして何かありましたか?」 私はありのままを話すと 勝手にボンネットを開けられた。 「ちょっと待っていてくださいね」 そう言うと学校の方へ走っていった。 あれから10分くらいたった。 もう、駐車場には私しかいなかった。 そんな中、すごいエンジン音を響かせながら ボンネットが黒くて 凹みが目立つスポーツカーを持ってきて 私の車の前に並べて 赤と黒のケーブルを出した。 手早く彼の車にそれを繋ぎ 私の車にもつけた。 しばらく見ていた。 見ているしかなかった。 もう壊されても何されても 受け入れるしかなかった。 (あぁ……速く帰りたい……) 「……おまたせしました!!もうエンジン付きますよ!!」 え…… 私はエンジンを付けてみた。 エンジンはかかった。 「ありがとうございました!」 彼とはそれが出会い。 私はお礼をするべく、連絡先を交換した。 彼はこの学校の生徒で 私より2歳年上だった。 最近寂しかったのかな? 連絡が来るとあの人からメールが来ることと同じくらい嬉しかった。
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