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のど自慢
ケンを含む出場者は、ステージの上で全国放送の番組に出演しています。司会者の進行の元で、一番乗りの人以外は席に着きました。一番の人が歌い終わると、司会者がコメントを付けます。それが終わると、二番の人にマイクが渡されます。この繰り返しで、最後の人の番が終わりました。
審査の結果が出ました。ケンがチャンピオンに選ばれました。番組はここで終わりです。しかし、ケンはここで終わったわけではありません。年末年始に行われるグランドチャンピオン大会に参加することになるのです。
帰宅後、パパラッチに隠し撮りされていることに気づかないケンは、残った時間をゆっくり休むことにしました。
この事は学校で評判になりました。いつもに増して、女の子たちに囲まれたり騒がれたり、サインをせがまれたりするのす。これを苦々しく思う男子や先生も少なくありません。ケンは、それを気にせずにいつもの練習をするのです。
地元商店街が開催するイベント出場の他にのど自慢大会のグランドチャンピオン大会も迫っています。バンドとの練習に加えて、カラオケマシンで自分の声を分析して気になる所を直すのです。
いよいよ、グランドチャンピオン大会の日が来ました。東京の会場に入ると、打ち合わせに参加します。
収録時間が来て、司会者のナレーションの後に一番乗りの人が歌います。それが終わると、司会者のコメントが入り、次の人にバトンタッチされます。ジョーは、こないだの本選とは別の曲で臨みます。最後の人が歌い終わりました。
審査の結果が出ました。他の人がグランドチャンピオンに選ばれました。その人は、もう一度同じ曲で歌いました。その人がこの番組からメジャーデビューするのです。
番組の収録が終わった後、ケンが音楽プロデューサーである審査員の方に言われたのはこうです。
「 高校を卒業したら、もう一度挑戦してみなさい。その時は、大人っぽくなって売れる歌手になるから」
ケンは、自分がまだガキであると遠回しに審査員の方から教えられて、何が自分に足りないのかわかりません。
家に帰ったケンは、父に審査員から言われたことの意味を尋ねるのでした。
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