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のど自慢再挑戦
仕事から帰ったケンはとりあえずベッドに入ります。目覚めたら、洗顔してご飯を食べます。その後、テレビのニュースを見てその日の出来事をチェックします。そんな時、宣伝が入りました。のど自慢大会の日時が画面に表示されています。
高校生の時にグランドチャンピオン大会まで進んだので、その企画のことはわかっています。少し大人になったので、再挑戦することにしました。
当日、会場へ出かけたケンは、予選大会で本選への出場権を獲得します。今度もチャンピオンになりました。あの時とは違って、生バンドとの練習がありません。自分の家のカラオケマシンが頼りです。
グランドチャンピオン大会の日が来ると、東京の会場へ向かいます。今度こそケンはグランドチャンピオンになりました。
ここでメジャーデビューが決定したのです。もちろん、アルバイト先の仕事仲間もこの番組を見ています。もう一度ステージで同じ歌を歌って、幕が下りた後の打ち合わせが終わると、一旦地元に帰ります。
ケンは、カラオケボックスの一部屋で打ち上げパーティーの主役になります。これが、最後の勤務日でした。ケンは、カラオケボックスの仲間たちに別れを告げ、家に帰ると引越しの準備を始めます。両親と最後の食事をすると荷物を宅配サービスに預けて、自分も東京へ出発します。
東京に着いたケンは、事務所が借りているマンションの一室に入居します。そして、事務所の人と顔合わせをします。ケンには担当マネジャーやスタッフが付きます。ケンの仕事は、これらの人が取ることになりました。
バンド経験があるケンは、作詞・作曲ができます。ケンは、ヒマがあるとその作業に取り組むようになりました。高校時代のエレキギターとドラムだけのバンドとは違うオーケストラ体制で歌うのです。そこは、音楽プロデューサーの腕の見せ所です。
ケンは舞台の上で歌いますが、簡単に人が入りません。客席がガラガラで元を取れない日が続きます。社長からマネジャー込みで公開処刑されることもしょっちゅうでした。三年はあっという間に過ぎていきます。ケンは、「これが最後だ!」と新曲を出しました。
これがヒットしたのです。オリコン10位以内に入ったので、ここで肩の荷が下りました。これでクビを免れたからでした。
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