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「おかあさん」
子供の声で、母親が部屋に入って来た。
「サンタさんからプレゼントはあった?」
「何もないよ。おかあさん」
「あら、どうしたのかしら。去年はちゃんと届けてくれたのに」
「プレゼント欲しい!」
「仕方ないわ。昨日は忙しかったのよ、きっと。たくさんの家にプレゼントを届けないといけないからね、サンタさんは。今夜、持って来てくれるはずよ」
「そうかな」
「きっとそうよ。いい子にしてれば、必ずね」
「わかった。いい子にしてる!」
母親の言葉を聞いて、子供は期待を膨らませた。
だが、次の日の朝にもいくらかの子供の家にはプレゼントは届けられなかった。
その日が過ぎても子供たちはサンタの顔を思って待っていた。
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