供養の仕方

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晴天の空に浮かぶ雲。 その隙間を縫うように、どこからともなく蛇行しながら小さな円盤が降りてきた。 人々はさっそく集った。 「なんだ、宇宙人か」 「怖いわ」 「近寄らない方がいい」 「専門家を呼ぼう」 「兵隊はどうだ。急に襲ってくるかもしれない」 好きなことを言い合っている間も、円盤に変化はなかった。 誰も出てくる気配もない。 野次馬の一人が近づいていった。 「やめた方がいい」 「危ない。離れるんだ」 他の人々の言うことを無視して、扉に手を掛けると簡単に開いた。 中には椅子に座ったままの宇宙人が。 動く気配はない。 「死んでるようだ」 その言葉で、人々はさらに混乱した。
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