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夜。
その日だけはどの家の子供もはなかなか寝付けずにいた。
「寝ないと来てくれないわよ」
と、お父さんやお母さんに言われながら、それでも待ち続けていたが、眠さに耐えきれず夢心地で目を閉じるのだった。
誰もが寝静まった頃、子供たちの期待に応えようと家に忍び込む姿があった。
背中には大きな袋を抱えて。
その人物は物音ひとつ立てず、子供の寝ている部屋に入った。
「欲しがってたおもちゃだよ」
枕元にプレゼントを置き、幸せなそうに眠る顔を見ながら、サンタはすぐに姿を消した。
「さあ、もう少しだ。明日の朝は、それぞれの家で子供たちの笑顔が溢れるだろう」
トナカイを走らせ、月の光を背に受けながらサンタは次の家へと向かった。
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