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「一年で一番いい夜だ」
トナカイを止め、立ち上がったサンタの動きはいつもよりゆっくりで、プレゼントの入った袋を重たそうにしながら家に入って行った。
「君がお願いしたおもちゃだよ」
サンタはすやすやと眠る女の子に囁いた。
いつもより倍の時間を掛けて、家を後にしたサンタはソリに乗り込み力なく言った。
「次の家に行こう。夜明けが近い」
トナカイはいつも通りに元気よく走り出した。
ソリに座ったサンタはそれ以上、何も言わなかった。
翌朝。
「プレゼントもらったよ、サンタさん来てくれたんだね」
「よかったわね。いい子にしてたからよ」
いくらかの家では、期待通りのことが起きて子供は喜んだ。
だが、またいくらかの家では別の結果が待っていた。
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