ペットと公園デビュー

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「ゆ、百合さん今ワシの事を足蹴りしたよね?盾に使ったよね?」 「人聞きの悪い、そんな事はしませんよ、でも痛っ……イタタタ……腕の痛みが酷くなったかもしれ……」 「いいから早く腕出せよ!お前が負傷したって緊急連絡が入って、ワザワザ来てやったのにピンピンしやがって」 救護班の啄は勝手にルームサービスを頼み、届いて間もないのか湯気が立っていて、食べる気満々の時点で緊張感のかけらもない。 「人のせいにひて……ホテルの高いルームハービフを頼んでさ」 「俺のピザ勝手に食うな!ってか犬と大蛇を向こうにやれ!ガン見する目つきが怖すぎるわ」 腕を出し空いてる手でペット達にピザを配っていると、社長はコーヒーを淹れ皆の前に置いてくれた。 「あっ、すいません……食後のスイーツ頼んでいいですか?」 「あの、ワシ店員じゃないんだけど」 部屋は広いので好きな場所で寛げばいいのに、我が家の住人は食べ物から離れないので、円陣を組んで話をする感じだ。 「今度、時間があればウチの世界に来て下さい」 「年頃の女子を一人でやる訳にはいかんから、ワシか誰かを護衛につけるなら考えてもいいがの」 まだ何も言ってないのに社長が勝手に答え、塵里の整った顔立ちの眉間に少しシワがよる。 薬を塗って貰うと痛みが嘘のように消え、食欲に拍車がかかると部屋のチャイムが鳴り、ケーキでも届いたのかとドアを開け固まった。 「あの……何故ここが?」 「片付いてたので戻って来ただけですよ、ウチの子も預けたままですから」 後ろからイナリと山金犬が走って来たのでサッと交わすと、彼らを引き連れて去ろうとしたので、お礼を言っておいた。 「明日この子だけを連れて来ますが……又ゆっくりと遊びに来て下さい」 「はっ、はい!伺います」 金色の眼が『そう返事しろ』と言ってるようですぐさま答えると、口角を少し上げてからエレベーターに乗った。 「……はぁ、やっぱ怖い」 ドアを閉め溜め息をついて振り向くと、社長と塵里がコチラを見て、聞こえる声でヒソヒソ話をしている。 「ホラ、油断も隙もない」 半分以上脅しが入っているし、かなりビビッて接しているのに、定位置に戻る間ずっと二人の視線を感じていた。
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