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場所は魚の世界だが、前回よりもずっと西側の大きな川沿いらしいので、淡水魚といった所だろうか。
貧困の差がある地域だが、文化交流という名目で家を民宿に改装して客を呼び、自然に触れてもらったりと商売もしているらしい。
という事はおばあちゃん家みたいな背景を想像するが、メーンは綺麗な川に寄って来る珍しい鳥の写真を撮りに来るらしい。
ここまで聞いた感じだと、のんびりした田舎で細々と商売をしてるいいイメージしかないが、説明がいつもより詳細なのは偵察の仕事だからと思われる。
表向きはいい所なのだが、その世界はトップだけでなくエリアごとに仕切っているボス……時代劇で例えるなら、町奉行みたいな役割をする者がいるらしい。
「へぇ……奉行がいるとは知りませんでした」
「執行だとその説明いらないからね」
瑠里の頭の中ではもう忍者探偵に結び付く要素があるようで、微妙に前のめりになっている。
「その奉行が悪者という訳でござるか」
「えっ?ええ、まあそうなんだけど」
一瞬驚きを見せた木村さんだったが、すぐに元のペースに戻り説明を続けた。
このエリアは特殊なチカラを持ってる者が多く、貧しさの代わりに力を捧げるというか、奪われて奴隷のように使われてるらしい。
稼ぎがある者は心配ないが、貧しい者は利用された挙句失踪を繰り返しているようで、証拠は闇に葬られているらしい。
まずは客として民宿に泊まり奉行周辺の調査をし、イザとなれば攻撃するしかないが、極力状況を把握する事を前提に動いてほしいようだ。
鍵となるのは住人の中にトップと繋がる者が紛れているらしいが、教えてもらえなかったようで、向こうも別に調査をしたいらしい。
流れを聞いた所でリュックを渡され、まずは一泊二日でその地を訪れ、表向きは鳥を撮影するカメラ女子役で潜入する。
いつものつなぎではなくカジュアルな服装だが、制服同様に照ちゃんの細工が入っているので、機能性は抜群だ。
後は現地で合流するだけなので、パネル部屋から扉を潜り、待ち合わせ場所へと向かった。
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