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KIDS~子供たちの防災訓練~
目が覚めると学校の屋外階段の踊り場だった。
主人公は小学生6年生のA。隣には仲の悪いCがいた。地震のあと、階段にぶつけて気絶したらしい。すでに津波第一波は通った後。Bと共に教室に帰ると、怯える下級生たちの姿が。
先生はいない。津波をみて駆け下り、それっきりだ。学校にいる子供たちのなかで、一番年上なのはAとBだった。
地震のあと、学校は避難所になる。図工室が遺体安置室、理科室が資材置き場など、職員室にあった「救助が来るまで」のパンフレットを見て、子供たちだけで学校を避難所に変えてゆく。
怪我の応急手当
濡れた服を着替える
トイレは一人で行かない
水分摂取をキチンと行う
毛布は体の弱い子を優先して配る
可能な限り動いてエコノミー症候群を緩和する
などを行うが、地震のあとには、心のケアが最大重要事項である。Aは母が自殺したため父子家庭親で、心のケアを優先するように言うが、Bには、イマイチそれが分からない。そこに、再度警報が鳴った。津波の第二派が来たのだ。
20メートル級が来たら、学校の最上階に逃げても意味が無いと知り、山の裏に行こうとするAだが、避難所を作るのに手間がかかった分、Bは動こうとしない。
Aは「津波てんでんこ」の法則にしたがい「残りたい人は残り、逃げたい人は逃げよう」と言い、Bと数人はすねて教室に残る。Aと他生徒は津波から逃げ切り、命からがら山の上に辿り着く。怯える下級生たちの為に、思い出の合唱曲を謳い始めるA。避難所にも歌があると、心のケアになる…。
その時、津波が来る。
子どもたちは自分の命を守るために、戦いを始める。
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