第三章 罪悪と獣欲の罠

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「……少なくとも、旦那が家庭を守ろうとしてくれてる内は、不倫相手の事とか、知らない方が良いわよね、きっと」  清夏は可愛い娘達を思い浮かべる。最近は生意気な口を聞くようになってきた。憎らしい時もあるけど、成長の証でもある。やっぱり、子供達は可愛い。それはきっと、夫も同じだ。ならばこのまま、夫が決定的な事を告げるか、もしくは隠しようのない証拠を見せつけられるその日まで、知らないふりをし続けよう。 「さて、腹を括らないといけない時ね。お母さん」 ……男は浮気するもの。結婚はさほど好きでは無い人との方が上手く行く。その方が夫が浮気してもデーンと構えていられる……  今は亡き母の言葉が蘇る。清夏は覚悟を決めた。その目には強い光が宿り、曇りの影は見えない。にやり、と笑った。『不倫略奪専用掲示板「ら・まん」』に、スマホ何かを打ちこみ始めた。 ~不倫略奪専用掲示板「ら・まん」~ 質問です。不倫略奪の女王、女優の設楽華代(したらはなよ)がまた不倫騒動起こしましたね。「不倫ではありません、純愛です」口癖じゃないですか。不倫に純愛ってあると思いますか? 私は、あると思います。私は独身なのですが、彼は奥さんと子供が三人います。子供がもう少し大きくなったら、妻と別れて一緒になろう、と約束してくれました。私達は真剣に愛し合っているので純愛だと思います。
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