柘榴の歌

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なんてことない言葉の端に あの日の記憶が蘇る 部屋中あちこちひっくりかえし ようやく見つけたお目当ての品 引き出しの奥で冬眠中の カッターナイフを取りだした 長いこと触れていなかったから かちかちゆるい音が鳴る 手のひらに乗せればしっくりと あたりまえのような感覚で 錆び付いた刃を軽くひとなで 甘やかな色に心も踊る
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