第3章

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そのままからかうように真横をすり抜けて クローゼットに駆け込んだ。 「和樹……?」 僕のクローゼットは服の山だ。 華奢な身体を隠すぐらい朝飯前。 「面白い話と言うのはね――僕がその病的な依存症だってことなんです」 彼の目に僕の姿は見えない。 だけどこちらからはちゃんと見えている。 「依存症……?」 棚のカゴに手を伸ばし 折り目正しく畳んだアンダーウエアを身に着けながら 「出ておいでよ。顔を見て話そう」 辺りをキョロキョロする青い瞳 辟易した横顔 混乱と興奮の入り混じったブロンドを盗み見て楽しむ。
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