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まるで誰かさんみたいだ――。
僕が世話をかけると
ああだこうだ言いながらも
お兄さんたちはみんな嬉しそうに世話を焼きたがる。
「ああ、メルシー」
スリッパを履かせてもらいながら
僕はもう一度からかうように礼を言った。
そして
「それじゃ初めに僕の部屋へお連れするけれど構わない?」
「え?」
「温かいシャワーで身体を流してきちんとした服に着替えるから――その間部屋で待ってて下さる?」
思ってもなかった誘いだって?
いいや彼
きっと期待していたはずさ。
「構わないよ」
ムッシュ・デュボアはワントーン低い声で答えると
「じゃあいらして」
僕について螺旋階段を上がってきた。
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