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「九条さんは僕のお姉様と結婚したの」
「え?」
「だから僕ら義理の兄弟なんです」
当然のようにシャワーのこちら側とあちら側
薄いガラスの扉を挟んで僕らは話をする。
「つまり君は――お姉さんの夫とそういう関係を?」
「ええ。だけど彼とは運命でした」
「運命?」
「出会ったタイミングが悪かっただけ」
初対面だと言うのに
随分気が置けない距離だ。
「面白いな」
「面白い?」
恋愛至上主義のお国柄か。
自由人の僕を前にしても彼は物怖じしなかった。
それどころか――。
「もっと面白い話もあるけれど……」
「聞きたいな」
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