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「こんにちは~」
「え、聡くん」
「おぉ、聡、どうした?」
「ん~、ちょっとね~、菱川くんいる?」
直樹くんと俺がいつも通りの空気感を取り戻そうとする頃、聡くんがやってきた。
その手にはクリスマスカラーのギフトバッグ。
「あれー、聡ちゃんじゃん、どうしたの?」
「あ、いたいた。はい、これ」
「え?」
いつものようにニコニコと出迎える大祐くんに聡くんはギフトバッグを差し出す。
「悠太がさ、遊佐くんにしか用意してなかったみたいだから、俺からあげる」
「あ」
悪戯っ子のような顔の聡くんの言葉に、俺ははっとしたけれど、肝心の大祐くんは気にも止めていないようで「いいの?もらっていいの?」と嬉しそうに袋を開けていた。
「すごーい、これってもしかして!?」
「そう、僕の手作り!」
「ありがとうー!!」
ギフトバッグから出てきたのは、ポケットチーフのようだった。
ビタミンカラーのおしゃれなものだった。
「まあ、あるかないかは知らないけど、デートとかここ一番の時にでも使ってよ」
「ありがとう・・・・・・でも、今のところその予定がないかも?・・・・・・でも、嬉しいよ、ありがとー!!」
聡くんの辛さに負けない辺りがさすが大祐くんだと、俺と直樹くんは笑顔で2人を見ていた。
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