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そして27日の夕方。俺は『グリル ゆさ』を訪れていた。
「こんにちはー」
いつものように店内に入ると驚いた。
クリスマスの日とインテリアが変わっていなかったから。
なぜならあの日、「飾りの片付けも手伝う」と言った俺に「明日ゆっくりやるから、いつもそうしてるんだ」と、遊佐くんは確かに言っていたからだ。
「あー、来た来た」
「大祐くん、これって、片付け・・・・・・?」
「うん、まあね。とりあえずここに座って」
「え?」
戸惑っている俺に大祐くんが笑顔で椅子を勧めてくれる。
いつもまかないを食べるカウンターではなくテーブル席だった。
「悠太、いらっしゃい」
厨房から出てきた直樹くんの姿に俺は驚く。
そう、直樹くんは俺が作ったエプロンを身につけてくれていたのだ。
「それ・・・・・・」
「あぁ、早速使わせてもらってる、ありがとうな」
淡い緑が穏やかな直樹くんと馴染んでいるようで、俺は嬉しかった。
「良かったら」
そう言って直樹くんは料理を俺の目の前に置いてくれる。
「え?これ・・・・・・」
俺はまたも驚いて、直樹くんを見つめる。
そう、そこにあったのは、『グリル ゆさ』のクリスマスメニューだった。
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