エレナの七変化

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アダムは頭を抱えた。 エレナの主張も一理あるので、大事になれば簡単には済まない。 エレナの祖父の友人にはジュリアーノ教授もいる。 場合によっては非難がアダムに集まり大スキャンダルにもなる。 少なくともこの状態を少しでも早く改善させるのが、大人であるアダムの務めだと思った。 翌日、細長いテーブルの端と端で 夫婦は顔を合わせずに 異様な緊張感の中、朝食をとった。 険悪を通り越し、互いの動きを伺うスパイ同士のようだった。
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