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外が夜の緞帳に包まれた頃 ようやく夜風にあたろうとエレナは白いシフォンのショールを肩に回し部屋から甲板に向った。
睡眠がとれて元気になった。
柔らかな冷えた風が火照った頬にあたって心地よい。
船内はまだ明るく人々のわらいごえや音楽が聞こえている。にぎやかな方へと足を向けるとそこは一番広いサロンだった。
小さな窓越しにアダムの友人たちが固まって騒いでいるのがみえる。
特徴のあるキャサリンのブルネットの盛髪が見える。彼女は口を開けて笑った後、ワイングラスを口元に持っていった。
その横で、こちらにずっと背を向けている男性はまぎれもなく夫のアダムだ。
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