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「ドーソン氏は船旅で、すっかり夫らしくなられて、見ていてほほえましいわ。なんて理想的な夫婦なんでしょう。」
「キャサリン、はしゃぐのはエレナが落ち着いたときにしてもらえないか?」
エレナの体を後ろから支えるアダムとキャサリンが視線を交わした。
「そうね、ご自身のお話しはあなたはお嫌いでしたわね。」
特別な間柄の男女の会話にしか聞こえず、エレナは俯いたままデッキで動けなくなった。
「エレナ?誰か、車いすを持ってきてくれ、すぐに!」
アダムは体を折って、右の方から帽子に隠れたエレナの横顔を覗き込んだ。
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