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「よく眠れたかい、エレナ。」
翌朝、部屋のカーテンを引きながら、アダムは隣の主寝室から扉で渡ってきて 妻の頬に口づけた。
エレナの額に手を置き、熱を確認する仕草に愛情さえ感じられる。
「お痩せになって。船が合わないなんて、不運なハネムーンだった。」
あれから2日、愛を交わすことが出来なかった不幸な夫を エレナはピントの合わない目で追った。
昨日ここに着いた後、ベッドに入っていつ寝入ったかも記憶に無いが 夫からの行為は免れた。
でも今夜からはそうはいかない。
エレナはここ数日の屈辱を涙で夫に訴えるつもりはなく、冷静に交換条件を持ち出し 身の安全を確保しようと考えていた。
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