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「ああ、もちろん、どうぞ。」
アダムは彼女の顔を解放して、自分のシャツのボタンを外し始めた。その仕草に エレナはあの夜の光景が重なって体が硬直した。
「し、しばらくは子どもが出来ないようにしたいのです。」
アダムはシャツを脱ぐ手を止めてエレナに顔を向けた。
「私はまだ勉強をしたいのです。」
妻の言い分に首を傾げた後、数回頷いた。
「ああ、夫婦だけの時間もまだ欲しいだろう、私も同意見だ。避妊はする。」
エレナの記憶は戻り、夫を見る紫の瞳は冷えきった。
『あの夜は避妊さえしてくれなかった。』
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