プレゼント

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俺が言ったものはすべて贈ってくれただろう? ならきっと会いに来てくれるはずだ。 俺を手に入れるために。 すがれるものが他にないから、俺に執着していた。 逃げ切ったつもりでいたのに、知らない間に見つかっていたらしい。 階段をのぼる音が聞こえてくる。 玄関の扉をあける重い音が響く。 扉の前に立ちはだかって、包丁を握る手に力を込めた。 さようなら、母さん。 これが俺からの最後のプレゼント。
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