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「あー、新しい恋のライバルかあ……未来さん、あたしを早苗と呼んでね」
「未来、よろしくね。あたしを音緒と呼んでね」
「音緒さん、早苗さん、ありがとうございます!」
音緒と早苗に飛びついて涙顔で何度も頭を振っている未来を樹は少し複雑ような表情で見つめていた…
「あたし…小学2年時に、両親を事故で亡くして以来、施設に預けられたの…父は一人っ子であたしが産まれた頃、両親を病気で失っていて…母も父との結婚を反対されていてね、ご家族や親類とは絶縁状態だったの…」
「そうだったの…辛かったんでしょうね…」
「いつまで施設にいたの?」
「短大を卒業するまで。その後は、松嶋 眞由美様にお世話になりました。奨学金も両親が遺した借金も全て払ってくれたし、今の仕事も準備してくれて…」
「そりゃあ、樹くんとくっ付けたい思いがあったからでは?あたしは嫌われてるなんだから」
「え!音緒さんは、眞由美様には嫌われてるのですか?そんなこと、ありませんよ!眞由美様も音緒さんのこと、大変気に入っておられましたよ」
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