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「と、言う訳なんだ」
過去の愚行を白状した俺を見ていたユウが、矢田とサクに目線を移し、二人の様子から俺の話が嘘ではないことを確かめる。
「よかったぁ」
ユウがいつもの柔らかい笑みを浮かべた。
「カード破産何て言うから、内緒の借金があるのかと思ってびっくりしちゃった」
ユウの驚きは無理もない。
結婚予定の男にマジもんの破産歴があったらとんでもないことだからな。
まぁ、お小遣い減らされて出掛けられず勉強ばっかりしていたお陰で、当初の志望校より2ランクも上の高校に行けることになったから悪いことばかりではなかったけど。
「びっくりさせてごめんな」
「ううん、大丈夫。 でも……」
結婚したら、私が家計管理するからとにっこり微笑むユウ相手に逆らう余地は俺にはなかった。
お年玉でカード買ったことで破産して、10年後に冷や汗かいて、未来の嫁に結婚後のイニシアチブを完全掌握されることになるとは思わなかった。
何て言うか、あれだ。
皆さん、お年玉のご利用は計画的に。
了。
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