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(渉語り)
「えっ?冗談言わないでよ。まだ君のことを何も知らないし、今は頭がパニックで何も考えられない。ちょっと待って……」
「………ぁ、ごめんなさい………」
彼の軽いノリに苛立って語句が強くなった。
とにかく服を着たかったので、まどか先生に後ろを向いてもらい、下着を付けてスウェットを着た。パンツが入っていた袋をゴミ箱へ捨てようとした時、丸めた大量のティッシュが目に入る。なんとなく何を拭いたのかが分かってしまい、揺るがない現実にくらくらした。たぶん中身は白い粘液だろう。
ベッドを降りて、床に座った。さっき貰った水の続きを飲み、膝を抱えて考える。
段々と頭がクリアになってきて、断片的だが思い出してきた。僕は俗に言う『賢者タイム』には今まであまり縁がなかった。だが、今頭の中でずしんと重くのしかかってくる現実と後悔の塊は、反省をより鮮明にしており、これが賢者タイムなのだろうと思った。
もっとも僕は賢者じゃないけど。
昨晩は、とても楽しかった。まどか先生とお酒を飲みながら沢山話をした。
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