白猫ヨーイチ

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(大野語り) 間接照明を付けると、それは確信的になった。 これは夢なんだろう。だから会いたかった人が化けて出てきたのだ。ヨーイチは化け猫で妖怪かもしれない。 だけど、怖いより何より嬉しさが先だった。口は悪いし、耳と尻尾は生えてるが、確かに見た目はなごみさんだ。 ヨーイチは伏せ目がちで静かに口を開いた。当然声も似ている。 「俺は化け猫じゃないって。今、変なこと考えてただろ。ったく失礼だな。好きで化けてる訳じゃないんだ。時々あるんだよ、隣にいる奴にシンクロして、そいつになっちゃう時がね。へぇ……バカ息子はこいつが好きなのか。なかなか男前じゃん。ユキエはカノジョがいなくて嘆いてたぞ」 そういうのを化け猫だと思うのだが、違うのだろうか。本人が違うと言うなら、敢えて追求はしない。 ヨーイチは後ろにある姿見で自分の姿をまじまじと観察している。ほっぺを引っ張ったり鼻を触ったりして鏡で遊んでいた。 その度に尻尾がたしんたしんと床に触れており、下にある裸のお尻へ釘付けとなった。弾力のある柔らかい膨らみは、実物からはあまり触らせてもらえない。限れた時間に少しだけ愛でる。触り心地もなごみさんと似てるかなと手を伸ばしかけた時だった。 「な、もしかして、俺で興奮してたりする?バカ息子はムラムラってしてないか?匂いでわかるんだよ。ハツジョウってやつ」 突然ヨーイチが振り向き、首筋や手をくんくんと鼻息を立てて俺を匂いだした。 「………な、や、やめろよ、突然。ははっ」 「ハヤト、ハツジョウしてる。いい匂いだ」 細かい毛の生えた耳がくすぐったい。 余りにも勢いよく来るものだから、あっとい間にヨーイチに押し倒された。それでも止まらず俺の髪に顔を埋めている。気が付くとピンクの乳首が目の前に迫って来ていた。 舐めたり歯を立てて吸うだけでイってしまうくらい、なごみさんが好きなところだ。『もっと、もっと…』とおねだりする声が空耳で聞こえた気がした。末期だな、俺。 ああ、なごみさんとセックスしてえな。 思いっきり喘がしたい。 当然、目線は下にあるモノへと移るわけで、それは微かに半勃ちしていた。明るいところで見たことが余りないから、似てるとは断言できなかった。 俺は、目の前にあるピンクの突起を見つめた後、転がすように舌先で撫でてみた。 「ぁンっ……何すんだよぉ。バカ息子」 「ふふふ……感度はホンモノと同じなんだ」 再び指で弾くとヨーイチの身体がびくんとしなった。尻尾が俺の腰に絡みついてくる。 「あ、あ、んんんッ……ダメだって……なぁ、もっと舐めてよ」 目の前のご馳走が俺の上から退こうとせず、更に胸を押し付けてきた。 あぁ……これが本物ならどれだけ嬉しいか。 ヨーイチで遊んでいても虚しいだけの気がしてきた。自分が情けない。 いい大人が夢の中で何やってるんだよと、我に返り、そして冷めていく。 「ごめん。悪ふざけが過ぎたよ。ヨーイチはなごみさんじゃないよな」 「なんだよ。もう終いか?嫌だ。誘ってきたのはバカ息子だ。ハツジョウしてるじゃないかよ。もっと触って欲しい。セイコウしよう」 顔が近づいてきたかと思ったら、唇をひと舐めされた。ざらざらとしたネコ特有の舌に、紙やすりで擦られているような鋭い痛みを覚えた。 そして股間も押しつけられる。 薄いスェット越しから、半分固くなったモノがピクンとした。
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