2人が本棚に入れています
本棚に追加
お年玉
年が明け、両親と祖父母からお年玉を貰った。
毎年貰っていたのだが、正直参考書を買うくらいしか使い途もなく…毎月のお小遣いと合わせて、それなりの金額が貯まっていた。
だが、今年は違う。
はっきり欲しい物があった。
いつまでも京子ちゃんのお兄さんに借りっぱなしじゃ悪いし…と、新年早々店に顔を出しカタログを眺める。
『あら?隼人君。とうとうキュー買うの?』
ドリンクカウンターに座り、1人カタログを眺めていると、店の受付の女性に声を掛けられた。
白石千尋さんと言う綺麗なお姉さんだ。
『はぁ…お年玉貰ったんで考えてるんですが…いつまでも借りてると、お兄さんに悪くて…でも、キューってどうやって選ぶんですか?デザインも値段もまちまちで…実際使ってみないと解りませんよね?』
『さぁ?私に聞かれても…師匠に聞いたら?もうすぐ来るだろうし♪』
師匠とは京子ちゃんのお兄さんの事なのだが…
元々、高校の同級生の平野京子ちゃんのお兄さんに憧れて、半ば無理矢理弟子入りしたのだが、はっきり言って怖い…
最初のコメントを投稿しよう!