お年玉

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 いや、悪い人では無い。  それはもう充分理解している。  だが、イチイチ物言いがつっけんどんでぶっきらぼうで…遠慮とか容赦をしない人なのだ。  キューを借りてる身で、新しいキューが欲しいなんて言ったら… 『何だ?俺のキューじゃ気に入らないとでも言う気か?』  そう睨まれそうな気がする。  そんな狭量な人では無いと思いたいが…  ともあれ、いつの間にか違うキューを使っていたら、お兄さんも良い気はしないだろうし…  千尋さんの言うように、相談するしか無さそうだ。  そうして夕方まで待っていると、遅番のお兄さんが出勤してきた。  僕はすぐに声を掛けた。 『あ!明けましておめでとうございます!』 『…新年早々、こんな所来やがって…お前は他にやること無いのか?暇人め。』  新年一発目の台詞がそれである。  いつもの事とは言え、相変わらず僕には当たりがキツイ。  大体、自分の職場のビリヤード場を【こんな所】とか…ビリヤードのプロの台詞じゃないと思うのだが、怖いから言い返さない。 『あの!相談が!』 『相談?金なら無いぞ。』  僕の相談に眉を潜め、そんな事を言い出す。
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