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この人は僕をどういう目で見ているのか…
『違いますよ…あの…その…』
なんとなく言い出し辛く、カタログを片手にモゴモゴしていると、これまたいつものように怒りだす。
『…何だよ!?いつまで経ってもはっきりしない奴だな!男ならはっきり言え!はっきり!』
お兄さんに弟子入りして半年以上経つのだが、半年くらいじゃ人間の性根はそう変わらない。
だからいつも怒られるのだが…
そんな僕を見かねたのか、千尋さんから助け船が入った。
『こ~ら!隼人君は典孝君と違って大人しいんだから!威嚇しないの!』
と…お兄さんの頭をコツンと小突く。
『だって、コイツが!』
と、それでもお兄さんは言い返すが…
『隼人君、自分のキューが欲しいみたいよ。選び方を教えて欲しいって。』
…千尋さんに全部言われてしまった。
相変わらず弱々な僕だった。
『キュー?』
お兄さんはそう言って睨んでくる。
『あ…いつまでもお兄さんのキュー借りてたんじゃ悪くて…』
そう言う僕を見て、お兄さんはようやく僕が持っていたカタログに気付く。
『ふん。生意気な。』
お兄さんは言って、僕からカタログを取り上げた。
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