お年玉

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『新品じゃなきゃ嫌なのか?』  どっかりとドリンクカウンターの席に座り、カタログをペラペラ捲りながら、そう聞いてくる。  どうやら相談に乗ってくれるらしい。 『あ…いや…別に新品に拘りは無いですが…』  本音を言うなら、今借りているお兄さんのキューを、このまま使いたいのだが…  カタログを見てビックリしたが、キューは想像していたより高価だった。  安い物でも7~8万円。  高い物だと、100万円近くする。  まだ高校生の僕に、いくら何でもそこまでの貯金は無い。 『予算は?』 『はい…あの…10万円くらいまでなら何とか…』  そう言う僕の返答に、お兄さんは更に眉を潜める。 『…小生意気な。高校生がそんな大金…』と…  ちなみに、お兄さんも去年まで高校生だった筈なのだが…  もっともお兄さんと京子ちゃんの家は母子家庭で、お年玉など貰った事は無いと、何かの機会に言っていた。  特にお兄さんは、高校入学と同時にバイトを始めた為、お小遣いすら貰っていなかったとか…苦労人なのだ。 『あの…何かキュー選びのコツとか教えて頂ければ…』
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