#1 女上司《カノジョ》に慰められる話

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side主人公 僕の名前は竜源院信次(りゅうげんいんしんじ)、佐倉工房という大手文房具店の本社にある営業課で働いている入社2年目の23歳です。ここではこの会社で開発している新製品の宣伝活動等を中心とした仕事をやっている、のですが… 「貴方、また書類をミスしたの?」 「申し訳ありません!気をつけていたつもりですが…」 今日も僕は上司から怒られています…書類に関しては入力ミスしないように気をつけたつもりだけど、また誤入力でやり直しだよ。ちなみに、目の前にいる女性は営業課課長の東條理絵(とうじょうりえ)という僕よりも年が10個上のザ・キャリアウーマン。彼女はこの会社の専務の娘で、周囲からは"鬼上司"と呼ばれるぐらいに恐れられている女性である。しかし、見た目の美しさは"上層部の華"と言われるぐらいに評判とのことらしい。 「あのね?私が気づかなかったら、受注ミスで取引先からクレームが来るところだったわ…それに、貴方の名前があることだから真っ先に責任を追及されるのは竜源院、貴方なのよ?若手の貴方がこんなミスをして印象が悪くなったら、契約も打ち切られる…それがどういう意味か理解してるでしょうね?」 「はい…」 「本当に分かってるの?顔を上げて返事しなさい!」 「は、はい!」 「分かったら、すぐ戻る!突っ立っていたら時間の無駄でしょ?」 「申し訳ありません、以後気をつけます…」 僕は課長に言われるがままに自分の仕事場に戻る。今日はすごく怒っていたな…自分が悪かったかもしれないけど。 「お疲れ!いつも怒られて大変やなぁ…」 彼は僕の同期の稲田茂幸(いなだしげゆき)、大阪の大学を卒業し、入社してきたお笑いが大好きな関西人だ。 「稲田、ありがとう…でも、僕は平気だよ。」 「信次はメンタル強いなぁ~。まさに、トルコアイスやないか…」 「稲田、喋ってないで仕事をしなさい!給料減らすわよ?」 「なんでっすか!?コイツも一緒に喋ってたでしょ!!」 「…」 課長は稲田の抗議を無視して見事に退けた。確かに、僕も喋っていたのだが…どうやら、彼女の情けらしい。それじゃあ不公平じゃないかって?そう、実は僕と課長は訳ありな関係なんだ。 僕は今、課長…いや、理絵さんとお付き合いしているのです。
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