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気持ち悪くて怖くて、暴れるがアスレチックの中は狭くてなかなか身動きが取れなかった。
「や、やだっ!!」
「はぁはぁ、少し我慢してね…すぐ終わるからね」
短パンの中に手を入れていやらしく太ももを撫でて男は耳元で囁いてきた。
気持ち悪い感覚がまとわりついて鳥肌が立つ。
声を出そうとしたが大きな手で口を塞がれた。
怖くて怖くてぽろぽろと涙を流した。
男の手が短パンのベルトを掴んだところで、カシャとなにか音がした。
驚いて男と共に男の後ろを見た。
「…警察に連絡しないとね」
そこには友達がスマホを持って立っていた。
助かったとホッとしたのも一瞬で男は友達にターゲットを移した。
自分よりも変質者に狙われやすいだろう友達を助けようと思った。
しかし友達と自分の間に男がいて、アスレチックもあり動けなかった。
友達は男をジッと見て逃げる様子はない。
もしかして、自分を置いて逃げられないのでは…と思った。
「早く逃げてっ!」
精一杯大きな声を出して、逃げるように言った。
友達はまだ逃げない、何故逃げないのか不思議だった……怖くて逃げられないのか?
…そして逃げたのは、友達ではなく男の方だった。
自分からは見えなかったが正気が抜けたような顔面蒼白の顔をしていた。
友達は何も言ってないし何もしていない筈なのに何故逃げたか分からなかった。
そして友達は何でもない顔をして微笑んだ。
「ももちゃんみっけ」
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