第2話

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なにかしただろうかと考えるが、初めて会ったから何も思いつかない。 握られる事のない手をそのまま降ろす。 やっぱりこんな暗い奴と友達になりたくないよね。 悲しくなるが、仕方ないと心の中では諦めていた。  大丈夫、慣れてるから風太は気にしなくていい。 風太と仲良くなって、調子に乗っていたのかもしれない。 風太が椿くんの脇腹を肘でつき椿くんは風太を睨む。 俺のせいで仲がいい二人を悪くしたくない。 どう喧嘩を止めたらいいのか分からず、小さい声で風太を呼ぶが風太には届いていなかった。 風太の腕を軽く掴むと、やっと気付いてくれて俺の方を見ていた。 でも喧嘩を止めてくれるんじゃなくて「大丈夫だから」と一言言うだけだった。 二人の関係は初めて椿くんを見た俺には分からない。 再び椿くんの方を向いて、その空気は全然大丈夫ではなかった。 「僕の友達にそんな態度取らないでよ」 「お前、こんなのと友達なのか?」 「なんでそんな事言うの!?」 椿くんは軽蔑した顔でこちらを見る。 口にはしないが、俺が悪いと言われているようだった。 昔虐められていた事を思い出し、気付いたらその場をUターンして走った。 耐えられなかった、心が限界だと悲鳴を上げていた。 また俺は、あの目から逃げ出した。 走った事が原因ではない心臓がバクバクとうるさい。 風太の声を遠くで聞きながら学園とは反対方向に走り出す。 友達を置いて逃げるなんて、ダメだよな…俺は…
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