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※岸風太視点
和音がいなくなり椿と二人で残されてしまった。
椿をジロリと睨む。
それに椿くんも眉を寄せる。
初対面の相手にあんな事を言う奴ではなかった。
なんで初めて会った筈の和音にあんな事を言うのか分からない。
この学校に入るために勉強のし過ぎで可笑しくなったのか?
和音は弱い部分もあるけど、守ってやりたくなる気持ちにもなる。
弱いものイジメなんてダサいし、友人にはしてほしくない。
和音が椿に何をしたのかは分からないけど、俺を慕ってくれる和音は本物だ。
和音は俺がいないとダメなんだから、椿がそう言うなら椿との付き合いを考える必要がある。
「後で和音に謝ってよ」
「…断る、俺はアイツと中学一緒だから知ってるけど男好きで毎日違う男と抱き合ってるって噂があったんだよ」
和音がそうだとは知らないけど、噂を真実のようにして嫌うのは違う。
ちゃんと見て、確信してからそう言ってほしい。
でも、椿と俺…同じ中学だけど和音はいただろうか。
目立たなかったと言われたらそうだけど、お互い気付かないものか?
それにそんな噂が椿の耳に入ったなら俺も聞いた事がある筈だ。
噂話を全て信じていなかったから俺は覚えていないだけなのかもしれない。
まだ椿の事が信じられない、付き合いが長いとか短いとか関係ない。
「そんなわけないじゃん!噂は噂だよ!」
「ただでさえ同じクラスなんだから、友達になんかなりたくないな…俺は女の子がいい」
「和音は僕と同じクラスだよ」
「は?」
「へ?」
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