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「はぁ、ダメだな…俺」
「なにか悩みがあるなら聞くよ?ももちゃん」
ピタッと歩く足を止めた。
俺をももちゃんだと言う人物なんて一人しか知らず恐る恐る後ろを振り返る。
凪沙が涼しげな顔をして立っていた。
凪沙は堂々とサボっている。
こんな罪悪感がないサボり方をしてる人初めて見た…不良でもないのに
見なかった事にして歩き出すと凪沙も付いて来る足音が聞こえた。
「どこ行くの?」
「が、学園に決まってる!」
「サボらないの?せっかく一緒にサボろうと思ったのに」
やっぱりサボるのは良くないし、それを気付かせてくれた凪沙に感謝する。
絶対に凪沙と過ごしたくないから…
凪沙はそれでも楽しそうだった。
俺は後ろに凪沙がいるだけで恐怖だというのに…
嫌いな相手と一緒にいたいものだろうか。
凪沙の考えが分からない、きっと誰も分からないだろうけど…
「つ、ついてこないで…」
「俺も学園に行くから同じだね」
うっ…それは確かに…同じだけど…
いつもと違う遠回りをしようか迷うが、付いて来られても困るし…自意識過剰ではなく、凪沙なら本当に付いて来そうだから早く学園に行きたい。
しかしいくら早歩きしても凪沙との距離が遠くならない。
近くも遠くもない微妙な距離をキープしている。
クラスは同じだけど席が離れてるのが唯一の救いだ。
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