第2話

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ーーー ※桃宮和音視点 三人で初めて食堂にやってきた。 人がいっぱいいて、目が泳いでしまう。 あまり人気が多いところは慣れない。 でも、これから三年間利用するかもしれない場所だ…苦手になってても仕方ない。 俺がこんなのだと二人まで変な風に見られてしまうから、ここは平常心にならないと… 椿くんは一度来たのか、慣れたようにスタスタと歩くから俺と風太は付いて行く。 空いてる三人用の丸テーブルに行き椅子に座る。 「…で、どうするの?」 「俺も初めてだから分からないよ」 「この呼び出しボタンでウェイターを呼んで注文するんだよ」 俺と風太が内緒話をしていたら椿くんが呆れたため息を吐いた。 てっきり学校の食堂だから、食券を何処かで買うのかと思っていた。 それにしては食堂には券売機らしきものがないなと思っていた。 椿くんがいなかったら、券売機を探すためにずっとウロウロしているところだった。 なるほど、レストランみたいにすればいいのかと理解してメニューを見た。 メニューは庶民的なものから高級なものまである。 全く聞いた事がない名前もあって、どんな料理かすら想像出来ない。 …値段は見なかった事にする。 やっぱりよく食べている洋食がいいだろうか。 風太はもう決めたのかメニューを閉じた。 「僕はオムライスにしようかな」 「じゃあ俺はハンバーグとエビフライにするね」 「……ガキみたいだな、お前ら」 椿くんにバカにされ風太は頬を膨らませた。
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