2709人が本棚に入れています
本棚に追加
ーーー
※桃宮和音視点
三人で初めて食堂にやってきた。
人がいっぱいいて、目が泳いでしまう。
あまり人気が多いところは慣れない。
でも、これから三年間利用するかもしれない場所だ…苦手になってても仕方ない。
俺がこんなのだと二人まで変な風に見られてしまうから、ここは平常心にならないと…
椿くんは一度来たのか、慣れたようにスタスタと歩くから俺と風太は付いて行く。
空いてる三人用の丸テーブルに行き椅子に座る。
「…で、どうするの?」
「俺も初めてだから分からないよ」
「この呼び出しボタンでウェイターを呼んで注文するんだよ」
俺と風太が内緒話をしていたら椿くんが呆れたため息を吐いた。
てっきり学校の食堂だから、食券を何処かで買うのかと思っていた。
それにしては食堂には券売機らしきものがないなと思っていた。
椿くんがいなかったら、券売機を探すためにずっとウロウロしているところだった。
なるほど、レストランみたいにすればいいのかと理解してメニューを見た。
メニューは庶民的なものから高級なものまである。
全く聞いた事がない名前もあって、どんな料理かすら想像出来ない。
…値段は見なかった事にする。
やっぱりよく食べている洋食がいいだろうか。
風太はもう決めたのかメニューを閉じた。
「僕はオムライスにしようかな」
「じゃあ俺はハンバーグとエビフライにするね」
「……ガキみたいだな、お前ら」
椿くんにバカにされ風太は頬を膨らませた。
最初のコメントを投稿しよう!