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「レオ、お前姉さん達の小間使いはどうするんだ?」
「実はさ、今日で一旦契約切れるんだ。だからこうしてジンの所にきて、いい仕事ないか探してたところ。一週間空けないと次の契約はできないし」
困った顔でレオは言う。それにルカは首を傾げ、気遣わしい顔をした。
「お家で休む期間じゃないの?」
「お家があればね。俺は孤児だし、仕事してるから面倒見てくれた教会からは出ちゃって家がないんだ。普段はジンの所でお世話になったり、つなぎの仕事探すんだけど」
肩をすくめて戯けたように言うレオに、ルカはとても気遣わしい顔をする。
この人も情のある人だから、こんな話を聞くと放ってはおけなくなるんだろう。こんな所も兄弟だ。
「ルカさん、よかったらレオを連れていってください。力のいる仕事じゃなければ、大抵の事はできます。それにこれで俺も安心しますし、ファウスト様にも報告しますから」
「兄さんにも?」
「えぇ。今日の事がファウスト様に報告されれば、多分心配するでしょう。俺からファウスト様に人をつけた事を説明して宥めます」
「納得すると思う?」
「させますよ」
ニッコリと笑い、次にレオに視線を移す。そしてポンと肩に手を置いた。
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