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「頼むな、レオ。俺は西砦にいるから、何かあったらそこに来てくれ。俺も仕事が終わったら時々顔をだす」
「うん、任せて。でもこれって、リフの依頼? それとも、ルカさんの依頼?」
「僕の依頼にして。店の事やお使いをお願いするのに、請求がランバートさんなんて可笑しいもの」
そう言うと、ルカはレオに手を差し伸べる。その手をレオも取って、無事に契約が成立した。
「それにしても、西地区で面倒を起こすなんてバカもいたもんだ」
一人が言って、それに「うんうん」と他も同意する。
東地区ではこんなことも珍しくはないが、西地区では珍しい。荒っぽい事を嫌う貴族の町に争い事を持ち込むなんて。
だがそこは意外な所から声がかかった。
「僕知ってるよ、そいつらの事」
「レオが?」
少年が得意満面の顔をして胸を張る。ランバートとルカは顔を見合わせ、レオに視線を向けた。
「ほら、俺は花街の小間使いしてただろ? 姉さん達の荷物持ちとかで西地区は行くんだ。そこで噂とか聞くんだけど、あいつら地方でも同じような横暴な事してて評判悪かったんだって。地上げっていうの? わざと悪い噂を流して店を潰して、その店をそのまま乗っ取るみたいなことしてたって」
「やっぱり、内務に動いて貰うのが一番いいな」
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