護衛

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 どう考えても悪質だ。おそらく直ぐに埃がでる。案外決着は早いかもしれない。 「他は何か知らないのか?」 「うーん、とね。確かそいつらの大ボスっていうの? あれこれ指示出したりしてるのって、元は王都の貴族だったんだって。問題起こして王都にいられなくなったらしい」 「最初からクズ貴族か」  吐き捨てるようにジンが言い、ランバートも頷く。最近は少なくなったが未だにこんなのがいるものだ。なんだかやりきれない。 「名前分かるか?」 「ブルーノ・シーブルズって言ってた」  レオが名を口にした途端、場の空気が明らかに下がった。いっそ身震いするような気温の急降下は、ただ一人の殺気から。ランバートは一人目を吊り上げ、黙って怒りを殺気に変えている。 「逃げたネズミが戻ってきたのか」  低く低く呟いた声に、ジンは震えレオは怯え、そしてルカは目を見張る。その中でもランバートは殺気を抑えられないのか、皆を恐怖に陥れている。  ルカがそっと動いた。動いた途端に殺されそうな雰囲気の中、それでも動いてランバートの頬を両手で挟み込んだのだ。 「!」 「ダメだよ、ランバートさん。そんな怖い顔しないで、笑顔が素敵なんだから」  ランバートの頬を両手で挟み込み、上を向けさせたルカがニッコリと微笑む。     
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