606人が本棚に入れています
本棚に追加
「今回の事はきっと内務が動いて調査して、違法を認めてくれる。そうなればどっちにしても奴らは加害者として取り調べられる。犯罪者としての罰を受けるんだ。俺はそれでいい。今を捨てて過去を取るなんてこと、きっと死んだ友人も望まないから」
いつも笑顔で明るくて、ランバートを心配してくれる奴だった。口うるさく母親のような事を言う奴だった。
そんな奴が、ランバートの不幸を望みはしない。今更復讐なんて事をしたらそれこそ、「馬鹿野郎!」と怒るに違いない。
そう思えば怒りが静まる。憎しみを押し殺せる。ランバートは困ったように笑い、頷いた。
「当然、ファウスト様にも相談する。一人で解決しようとしないって、約束したし」
「うん、絶対だよ」
ルカが心配そうに小指を出す。それに笑ってランバートも小指を絡め、約束をした。
最初のコメントを投稿しよう!